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2016年2月

2016年2月 5日 (金)

西へ 大きな島へ 9 「さらば ヨサク酷道のオババ」

ということで、国道439号線 通称 国道ヨサク(439号だからヨサク)を走ったのです。

ルートは下記

Google_2

(Googlマップでヨサクを通る道がなぜだかリンクできないのです。後述するオババの魔力に違いない)

そんでもって
ヨサクを雨の中、実に100㎞ぐらい走ってしまいました。

時間にして5時間以上です。
ヨサクも最初は良かったのです。でも途中から
1.落石(道路にこぶし大から小石がごろごろ)
2.枝と葉っぱ(スギの葉っぱとか枝とか)
3.ガードレール無しで路肩はすぐに崖 
4.車線幅は1車線
5.舗装はボコボコ
6.わずかに残ったアスファルトには苔が生えまくり。
7.ごくたまに、対向車で地元の軽トラが現れる。
というウルトラセブン攻撃です。
葉っぱと落石でリアがスライドする事、数知れず。 

何回も足を付き、ふと崖に目をやるとバイクはそちらに進み奈落へ吸い込まれそうになり・・・
もう、イヤ 
勘弁しくれ!!!
とヘルメットの中で叫びをあげながら、適当な休憩スポットも見つからず、ヨサクと格闘して約2.5時間・・
突然、老婆が赤い旗を持ってオレのバイクを停めるではないか・・・
何事かと思って停止したら
オババが寄ってきて
「この先、道路工事しててな。 交互通行になっとって、あと45分通れんよ。 どうする?」
と話しかけてきたのです。
どうするもこうするも、


さっき通った(征服してきた)ヨサクを戻る気は無い!さらさら無い!
すっかり疲れ果てていたのである。
きっぱり
「待ちます!45分待ちます」
ということで、バイクを降りて、ヘルメットを脱ぎ、なんとか雨も止んでいるのでくつろぎの姿勢を取ったところで、オババは暇なのであろう。話しかけて来たのです。
「どこから来たん?」
「千葉です」
800km以上走ってきたのにオババは全く感動してくれません。
「昨日は東京の学生が自転車でここ通ったよ」
そりゃ感動してくれないハズです。 こちらはエンジン付きですから・・・
「こんな道、工事してどうするんだろうね お国のやることはわからんわ」
とオババは呟いています。
「いや、地元の人はこの道、使ってるんじゃないですか?」とオレ
オババは
「いやいや こんな道を走るのは自分ら都会のモンばかりだわ、地元のモンはだーれもこんな道は走らんよ・・・ガハハハ」
とオババは金歯をキラリとさせて笑ったのだ。
ここで、勘の良いオレは気が付いた!
「酷道ヨサク」はこのオババの
罠(わな)
なのである。
インターネットを使って四国の山奥のその大自然を宣伝し、さらにチャレンジするに値する酷道ヨサクを見せつけ、自然に飢え、チャレンジ精神豊富な都会の人間を集める罠だったのである。
もっとも、オババにとってはあまりたくさんの人はいらない。マニアな人間が1日に何人か現れる程度がちょうど良いのである。
バイクでもチャリンコでもクルマでもオババが、それらの獲物を赤い旗で停止させて、話しかけ、相手が油断したところで、オババが左手をさっとあげれば合図である。
山から頑強な男が5,6人現れ、獲物(つまりオレ)はあっというまに荒縄で縛り上げられてしまうのだ。
 で、都会人を掴まえてどうするかというと、オババは都会人を掴まえてはタコ部屋に放り込み、国から受注した酷道ヨサクの工事代をピンハネして儲けるという商売をしているのだ。 
(タコ部屋が判らない人はここをクリック
 
 確かにどう考えても、オババがいうように、地元の人が通らないこの道を工事する必要は無いのだ。オババと役人が結託して、都会人を掴まえ、タコ部屋でこき使いお金を巻き上げるシステムがあるとしか思えない。
 
 だが、オレの研ぎ澄まされたカンがオババの正体を見破ってしまったのである。
こうなったら一刻も早くこの場を逃げ出したくてしょうが無いのだが、こういうときに限って時間の進みは遅い。 
 オババがいつ左手を上げるか気が気ではなく、もし左手を挙げる仕草をしたら、その左手を押さえつけてやろうと神経を研ぎ澄ましオババとつかず離れずで会話をしていると、オババの無線機の呼び出し音が
「ピロピロピロ〜」
と響き渡った。
タコ部屋本部からの捕獲指令が来たのだ。
オババで本部の会話を注意深く聞き取ろうとしたが、
「バイクが一台・・・・」 「肥えてるけど・・・・」
といった単語が入っており完全に、オレのことを特定してる会話なのは間違いないのであるが、特殊言語での会話らしくオレには全く意味がとれない。
 聞き取りを諦めたオレはこのスキにオババの横を離れヘルメットをかぶり、バイクに跨がりエンジンを掛けすぐに逃げられるように準備し、オババの左手の動きを凝視していたのだ。 

 いくら山道でも、こちらは大英帝国が誇る老舗バイクメーカー、トライアンフの675cc 115馬力である。 人間の足よりは早く走れるハズである。
と突然、
オババが赤い旗を左手で下から上にあげたのである。

恐れていた合図である。
左の山から人が動く気配がした。 
ヤバイ!!


おれはこんな山奥で人足仕事をする気はない。 オレは都会の会社員なのだ。
クラッチを握り込み、ギヤを1速に蹴り込み、アクセルをひねってホイールスピンをしながら猛然とダッシュ。 
ふとバックミラーを確かめると
キラッ☆

とオババの金歯が光ったような気がした。
しかし、おれ後ろを振り返らず、さらにアクセルをひねり、ミラーの中で、小さくなっていく赤い旗とオババを見ながら一言、ヘルメットの中で呟いた。
「さらば酷道 ヨサクのオババ! 」

おしまい・・・・


※1 椎名誠著 「さらば国分寺書店のオババ」とは関係ありません。
題名だけオマージュさせて頂きました。
※2 本当にそんなタコ部屋があるのかは謎です。 でも、グーグルマップでいくら国道439号を通るようなルート設定をしても、リンクを張ろうとすると違うルートになってしまうのは本当です。
この辺から考えると・・・・・
 

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